はじめに
2013 年に OVERDRIVE から発売された「僕が天使になった理由」をプレイしました。
シナリオは 那倉怜司 さんです(藤丸さんが原画を担当されていますが、調べたところ企画も担当されていそう…?)。
この記事では、こちらのゲームをプレイした感想をまとめようと思います。
すべてを得ることはできない
こちらのゲームは、全 7 話構成になっています。
第 1 ~ 第 6 話については、サブキャラ同士の恋愛を題材とし、主人公たち(巴やアイネなど)が相談になって解決に導く構成になっています。
まだ、第 7 話については、攻略対象である 4 人のメインヒロインと主人公巴との恋愛、となっています。
こちら 4 人のメインヒロインの画像は公式サイトより引用させていただいています。
第 1 ~ 6 話、そしてメインヒロイン 4 人の恋愛は、すべて、ハッピーエンドにはなりません。
何かを得れば何かを失う、つまり、何かしらの不具合を抱えたままそれぞれエンドを迎えます。
それぞれの話では「何かしらの選択肢」を突きつけられることになります。
たとえば、第 3 話においては「自分の恋を優先するのか?」「友達の恋を優先するのか?」が選択肢となります。
自分の恋を優先すれば友達とは疎遠になり、友達の恋を優先すれば自分は一生その外で見守る、という結果になります。
恋愛とは何かしらの代償を払うものであり、取捨選択、切ない恋物語となっている点が非常に良かったです。
鬱であれば鬱であるほど、キャラクターの心理、ストーリーに深みが増すため大好きです。
奈留子ルート
どうしてこうなるのか?はストーリーの根幹に触れてしまうため書けないのですが、主人公巴となるこは最終的に以下2つを選択することになります。
- 結ばれることによって、一時的に恋人となり、その後絶対に疎遠になる
- 一生幼馴染(ともだち)で居続ける
幼馴染でいることを選択する場合、一生恋愛は行えません。
仲の良い友人を貫く、ことになります。
恋愛関係を選択する場合、一時的に恋人となれますが、ある時点で互いを強制的に忘れてしまい、一生関わることにはなりません。
僕はこの「互いを忘れるシーン」がとても好きです(すき〜)。
絶対にお互いを忘れない、毎日この幸せな日々を大切にするんだ、といっていた次の日にこの CG がでて、互いを忘れています。
恋愛というのはこんぐらい儚く、壊れやすく、脆い、というのをライターさんが伝えているように感じます。
多くの作品の場合、このようなエンディングのあと、タイトル画面に戻る前にエピローグが入ります。
そして、「なんだかんだ再開して、過去を忘れたまま互いに再度惹かれ合う」みたいなことがお消えます。
この作品はそんな奇跡はありません。そこが潔くて好きです。
バンド・情熱要素は少なめ
OVERDRIVE の作品の場合、バンドを題材とする、もしくはロボットを題材として情熱的な展開を繰り広げる、ということが多いです。
本作の場合、アイネ率いる天使が音楽で人々の恋愛をサポートしますが、メイン要素ではなく、エンディングテーマの曲として入っています。
バンド、ではなく「儚い恋愛」「ビターズエンド」に注力しているのが本作だなぁと感じました。
最後に
人生・恋愛というのはうまくいかない、と教えてくれた作品でした。
なにかを選んだら、なにかを捨てることと等しい、というのはエッセンシャル思考と同じですね。