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Post title icon「限りある時間の使い方」を読みました

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はじめに

オリバー・バークマン著の「限りある時間の使い方」という本を読みました。

この本を読んだきっかけとしては、仕事ならびに私生活における時間の使い方が良くないという意識が芽生えてきたためです。

とくに、昨年社会人として仕事を始めてから、私生活における時間の使い方が良くないと感じていました。
というのも、社会人となってから 1 年と 4 ヶ月が経とうとしていますが、なかなか個人エンジニアとしてのアウトプットが出せていないと感じているためです。

GCP の資格を取ったり、インタプリタ言語の本・TDDの本・デザパタの本の実装など、知識を深めることは 1 年と 4 ヶ月の間に行えました。
しかし、自分がずっと目標としている

  • フロントエンド+バックエンドを分離した Web アプリを作成する
  • ノベルゲームを 1 本開発する
  • ノベルゲームエンジンを自作する
  • OSS を開発する

という「時間をかけてやるべきこと」になかなか手を付けられていない、手を付けても途中で別のタスクが生えてそちらにかかりにきるになってしまう、ということが多く発生しました。

こうなってしまう原因として

  • 時間の使い方がよくない
  • やる気・集中力・継続力が足りない
  • やりたいことが明確になっていない

ということが考えられました。

そのため、まずは「自分の時間の使い方」を改善すべく、本書を読むことにしました。

【結論】本を読んだ感想

自分の価値観を 180 度変えてしまう そんな本でした。

自分はこれまで何度も「時間をうまく管理しよう」と、自己啓発本を読み漁り

  • 朝早く起きてカフェインを取る
  • 夜はスマホを触らない(記憶系のタスクを行う)
  • ポモドーロを常に行う

などのテクニックを駆使しようとしました。

その結果、達成できていたのは「自分が人生でやるべきことではない 小さなタスク」をコツコツと積み重ねることであり、 自分が人生で本当にやりたいこと はまったく達成できていませんでした。

これは、冒頭にあった「自分が作りたいウェブアプリやノベルゲームが一切進んでいない」と同じ状態です。
Notion でうまくタスクを管理していたつもりでしたが、タスク数を稼げる「記事を書く」「misskey instance を立てる」「技術書を読む」ばかり行っていたのです。

本当にやるべきこと にだけ最低限の時間を使って自分の価値を向上させ、そうでない時間はきちんと休む、好きなことをする。

この本は 時間 を管理するのではなく、 時間 と共存し、できることだけ・やりたいことだけに時間を使いましょう、ということを教えてくれました。

この本を読んで自分が次にすべきことは

  • 今回の本をまとめて自分の中に残す
  • 自分の人生でやりたいことをリストアップし、上位 5 個に絞る
  • 仕事仲間・友人・家族とより一緒に(管理できない)時間を過ごす

です。

今回の記事では本の内容をまとめるのみにとどめて、「やりたいことをリストアップする」は次の記事で行おうと思います。

時間は有限であり支配できない

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人間の時間は有限です。
こちらの本によると 80 才まで生きるとすると人間には 4000 週間ほどしかありません。
しかし、実際のところ「有効な時間」はもっと少ないです。すでに僕は 26 才ですし、 65 才を過ぎたらエンジニアとしては活躍は厳しそうです。

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このように、「限られた短い時間」しかないことがわかると、僕たちは「時間管理術・生産性向上術」をつかって、なんとかうまく時間を支配しようとします。
できるだけ多くのタスクをこなし、有意義な時間を過ごそうとします。

しかし、これら時間管理術を使ってこなしたタスクの多くは 人生にとって重要でない ことがほとんどです。
僕の場合、競プロの復習やエンジニア記事の執筆・ノベルゲーム、何かしらの技術の勉強、LT会の参加、たまにするランニングとギターの練習がほどんどのタスクです。

これらは 本当にやるべきことか? と考えると、かなり怪しい部類に入ります。
エンジニア関連のタスクは自分にとって重要ですが、ずっと前からやりたいと言っている「ウェブアプリの開発」や「ノベルゲームエンジンの開発」はなかなか進んでいません。

「やることが多いよ〜」「エンジニアの本を読むぞ」「misskey instance を立てるか」と言い訳をして別の細かなタスクを行ってしまっているわけです。

やるべきこととやらないことを決める

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時間は有限です。
限られた時間のなかでありとあらゆることをやることはできません。

僕はもう医者や弁護士になることはできませんし、 DTM を初めて「お父さんな…音楽で食っていこうと思うんだ…」もできません。
(できるかもしれませんが、 10 年は投資することになるでしょう。)

限られた時間しかないからこそ、「人生をかけてやりたいこと」を決めてそれ以外は「やらないこと」として捨てましょう。

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このとき、「やらないこと」を決めるのはつらいこと・悲しいことのように感じますが、これは楽しいことです。捨てる喜びを感じるべきポイントです。
引っ越しにおける断捨離と同じですね。

「やらないこと」を決めることによって、やるべきことに時間をかけられるようになります。

やるべきことを限られた時間でこなす 3 原則

やらないことを決めたら(捨てたら)、やるべきことに時間をかけて取り組む必要があります。
このとき、やるべきことに時間をかけられるように本書では 3 つの原則(ルール)を提示しています。

1. 自分の取り分を作っておく
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原則の 1 つ目として、自分の時間の取り分を最初から取っておく、ということを本書は伝えています。

これはお金の使い方と同じです。
残ったら貯金しようと考えているとなんだかんだ使ってしまい、最終的に何も残らず、貯金がなにもできなくなってしまいます。

そうではなく、はじめに「この時間は絶対に自分のやるべきことを為すのだ」という時間を先に決めておきます。
そして、それ以外の時間は他の人と時間をシェアしたり、やるべきでない「どうでもいいこと」をして今の人生を楽しむべきです。

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2 つ目は、進行中のタスクを制限することです。

具体的には、これから取り掛かるべきタスクは 3 つ以下に抑える、できれば少なければ少ないほどいい、というものです。

人間は選択肢が少ないほと迷いが少なく、幸せを感じるものらしいです(本書では)。
これには自分も同感であり、やるべきことが定まっているときほど集中してそのことにのみ取り組めます。

個人の感想ですが、この タスク は色々なレイヤーがあると感じました。
たとえば、仕事もそうですし、個人「エンジニア」としても「人生」としてもタスクがあります。
それぞれで最大 3 つまでと決めて、それらが終わるまでは他をやらない(やるとしても「やるべきこととして取り決めた時間以外」で行う)べきだなと感じました。

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3 つ目は 優先度 中を捨てることです。

これは「やるべきこと」に時間をかけるために、「やらないこと」を明確に定めてそれらに手を付けないために行います。
本書ではやりたいこと上位 25 個を取り決め、 Top 5 個以外は捨てよう(やらない)としています。

捨てるというのは極端ですが、将来的にやりたいことリストに打ち込んでおいて、「やるべきこと」5個が終わるまでは放っておきましょう。

どうしてやるべきことがわかってもやれないのか

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「やるべきこと」と「やらないこと」を取り決めても、なかなかにやるべきことに手を付けることは難しいです。

これは「やるべきこと」の多くが、面倒で大変で難しいコントロールが難しい難題だからです。
取り組んでいるうちに高い壁にぶち当たり、それから目をそらそうと簡単なタスクや SNS YouTube などの娯楽に逃げてしまいます。

一方で視点を変えてみると、やるべきことには超えるべき多くの高いカベがあり、それらに挑戦できる良い問題と考えられます。
超えるべきものがなにもないような簡単なタスクでは人は成長できませんし、取り組む意味もありません。

面倒で大変で難しい問題がある状況を楽しみ、それらにゆっくりと取り組むことが大事です。
短期で成果を求めるのではなく、段階的にアウトプットを行い、成果を少しずつ出していきます。

今を楽しむ

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それでも時間をうまく管理しよう・最大限有効的に使おう、という考えがでてきてしまいます。
これは人間の性ですね… (komatta)

しかし、時間をうまく管理することは不可能です。
特に、未来の時間を管理することはより不可能です。
急に割り込みのしごとが入ってくるかもしれませんし、病気になるかもしれませんし、最悪交通事故で死んでいる可能性があります。

よって、「今の時間を有効的に使って未来に投資する」ことも大事ですが「今を最大限楽しむ」ことはより大事です。
人生とは今という瞬間の連続であり、だからこそ「今を一番楽しむ」ことが大事です。

ganyariya は今を楽しむのがものすごく苦手なタイプがあり、未来のためにコツコツ投資する側のタイプでした。
しかし、今回の本をみて「今」に目を向けなれば、楽しまなければなとなりました。
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同時に、時間と忙しさに依存するのをやめましょう。
当てにならない不安定な時間に対して依存しようとすると、コンピュータサイエンスの観点からしても良くなりません。
自分というドメインモデルがより不安定な外部(時間)に依存しています。

自分の「やりたいこと・やりたくないこと」という interface を定義して、そこにあとから時間がついてくる、つまり時間は自分の視野からできるだけ外す、というのが重要なのかなと感じました。(個人の意見です。)

忍耐を身につける

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やるべきことは困難な問題であることが多く、常に新しい問題が立ちはだかります。
このとき 忍耐 がないとすぐに諦めて SNS を見てしまう、別の簡単なタスクに逃げてしまうと本書は述べています。

(ものすごく見に覚えがあるので ganyariya は耳が痛いです。)

忍耐を身につけることによって、問題がある状況を楽しめるようになります。
超えるべきカベがあることによって、人間は成長できますし何より飽きません。

忍耐を身につける 3 つのルール

忍耐を身につける 3 つのルールが本書では挙げられています。

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1 つ目は問題がある状態を楽しむことです。

やるべきことは必然的に難しい問題を抱えており、多くの人が挫折して理由をつけて簡単な方法に逃げていきます。

問題を解決するには多くの時間を要します。
このとき、問題から逃げるのではなく、焦らずに時間を費やし、楽しみならが問題を解決しましょう。

2 つ目は小さな行動を積み重ねることが大事です。
これはみゃーもいっていました。

3 つ目は、オリジナルは模倣から生まれるです。

これは本書の説明に詳しくかいてあります。

まずは模倣からはじめて、これを最後までやりきりましょう。
途中でやめてしまうと中途半端な理解にとどまってしまい、オリジナルになれることはないです。

ある 1 つのことに取り組み続けることによって、最終的に「模倣からオリジナル」になります。

時間をシェアしよう

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時間を有効的に使いたいと言っても、自分ひとりの時間は意味がありません。
もし誰もかれもスマホを持っていないなら自分もスマホをもつ意味がありません。

自分の時間をやるべきことに使うべきときは、「自分の取り分を取っておく」で時間を確保して継続的に問題に取り組みます。

そして、そうでない時間は他の人とシェアして、より有意義な時間にしましょう

他人からコントロールされるぐらいのほうが、選択肢が少なくて精神的にも良さそうですね。

と、ganyariya は捉えました。

これは個人開発や個人勉強でも同じだなと思いました。
自分ひとりで続けようとするとなかなかモチベーションが持ちません。
だれかと一緒に開発・勉強することによって継続されるなと思いました。

その他の教養

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その他、本書で書かれていた教養としては以下です。

完璧主義はやめよう

完璧にやろうとすると一生進めません。

どうせこの世には完全な答えはありません。

できることから少しずつ進めましょう。

悩んだら人として成長できる方を選ぼう

僕もこれは常に意識している内容です。

悩んだ時、多くの場合人間は楽な方を選択します。
そうでなく、自分にとってつらい方、挑戦できる方、成長できる方を選択すべきです。

時間の有限性をうけ入れるツール

本書では最後に、時間は有限であることを受け入れるためのツールを 10 個紹介します。
そのうち、自分にとってうまく合いそうなもののみまとめます。

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開放と固定のリストを作る

将来的にやってみたいな、という「開放」のリストを用意しておき、無作為に打ち込んでおきます。
これは「やりたいこと 25 個トップリスト」の話と似たようなリストですね。

そして、「実際に今取り組むやるべきこと」という「固定」のリストを常に個数制限をかけたうえで用意します。

「自分の取り分」の時間を使ってやるべきことは、この「固定」のリストです。
これが終わるまでは「開放」のリストに手を付けないようにします。

緊急で割り込みのタスクは入ってくる時などはしょうがないですが、できるだけ別のタスクに手を付けないのが大事です。

先延ばし状態に耐える

一度に取り組むべきタスクは多くても 3 つ以下にしましょう。

開放リストにはずっと手を付けていないタスクが大量に残っていますが、それは忍耐で許容しましょう。

失敗していいことを決める

先に失敗していいことを決めておくと、失敗したときに精神が楽です。

できたことを意識する

時間は限られているため、できないことがほとんどです。

そのため、できないことは「できなくてよかった〜」と喜ぶようにしましょう(断捨離的な喜び)。

そして、「できたこと」は褒めるようにしましょう。

本書ではできたことをリストにまとめて見返せるようにしましょうと書いていますが、どうでもいいことを書くと「本当にやるべきこと」が進みません。

「本当にやるべきこと」をより細かいサブタスクとして分けたと考えたときに、そのサブタスクがこなせたときにリストに入れるとよいのかなと思いました。

人間関係に好奇心を取り入れる

相手に興味を持ちましょう。

自分の時間をコントロールするのではなく、相手に時間をコントロールしてもらいましょう(気が楽なので)。

何もしない練習をする

何もしないことも大事です。

時間を有効に使わない、無駄につかってもよいという意識を用意することで、罪悪感という罪の意識を減らせます。
(そもそも「休み」とは本来何もせずダラダラすべきものです。)

まずは 5 ~ 10 分の瞑想をやってみるとよいです。

最後に

今回の記事では 限りある時間の使い方 という本の内容をまとめました。

次は実際に やるべきこと をリスト化して Notion にまとめて、かつそのうち上位 5 個のみ取り組んで見るぞ、という記事を書こうと思います。

しかし、そのためには「重要な 5 個」をうまく決める必要があります。
この 5 個をどう決めるかを学ぶために、 エッセンシャル思考 を読んでみようと思います。

先にエッセンシャル思考を読んでから、やるべきことを決めようとしている時点で「完璧主義」になっていますね… (だめです)