はじめに
Laplacian さんから発売された「白昼夢の青写真」の青写真をクリアしました。
発売当初から面白いと話題になっていた & 批評空間で非常に点数が高く、ずっとプレイしたいと考えていました。
この記事では、 ganyariya が本作をプレイした感想をまとめます。
白昼夢の青写真の概要について
発売は Laplacian さんからされています。
本ブランドは他にも「ニュートンとリンゴの樹」「未来ラジオと人工鳩」など、 SF 的かつ退廃的な作品を多くリリースされています。
ライターは緒野ワサビさんであり、はじめて聞いた方かも…? と思っていたのですが「アオイトリ」「ニュートンとリンゴの樹」「未来ラジオと人工鳩」の有名タイトルを手掛けられている方でした。
今回本作をプレイしてとてもおもしろかったため、アオイトリや人工鳩も今後プレイしようと思います。
ストーリー構成
本作の最大な特徴として、ストーリーが 4 つに分割されています。
最初は CASE-1, 2, 3 を少しずつ断片的にプレイすることになり、最後にグランドルートとして CASE-0 をプレイすることになります。
これら CASE ストーリーは実は少しずつ CASE-0 に繋がっており、グランドルートをプレイすることで CASE-1,2,3 の成り立ちと意味がわかるようになっています。
このようなストーリー構成になっていることで、各 CASE-1, 2, 3 サブストーリーの深みとキャラクターの魅力が引き出されていてとても良かったです。
Case-1
一番好きなサブストーリーです。理由としてはストーリーの重さ、そして主人公への共感です。
あらすじを読むとわかりますが、背徳的かつ人間の奥深さを描く物語となっており、 WHITE ALBUM2 に通じた何かを感じます。
このような話が ganyariya は大好きです。
また、主人公である「有島 芳」は葛藤、苦悩、挫折が徹底的に描かれており、とても共感できました。逆をいうと、ヒロインである「波多野 凛」についてはなぜストーリー上その行動を取るのか?についてうまく共感できませんでしたね…。(少女と ganyariya では年齢も異なるので….)
上記は CASE-1 の何気ないシーンですが、 めちゃくちゃ ganyariya に刺さりました。
ganyriya も 1 人でいることが好きなのですが、それを目指したかったからそうなっているのではなく、友達を作れなかった結果、周囲に馴染めなかった結果、性格がひねくれた結果、自分の気持ちを守るためにそうなっただけだからです。
しんどい…
CASE-2
中世期を舞台にしたウィリアム・シェイクスピアとオリヴィア・ベリーの物語です。
古代特有の「女性は舞台に立ってはならない」という葛藤と、「貴族と平民の身分の差」という市政が、現実のシェイクスピアの物語になぞらえて描かれています。
CASE-3
CASE-1 の次に好きなストーリーです。
亡くなってしまった母がずっと求めていたハレー彗星の写真を、主人公のカンナがヒロインのすももと追い求めていく、そのなかで自身のやりたいことを登場人物が探していく、という物語です。
CASE-0
物語のグランドルートです。
CASE-1, 2, 3 をプレイしているときに合間合間で登場していた「海斗」と「世凪」を中心に物語が描かれます。
すべてがネタバレになってしまうので、ここでは何もかけません。
本作の良かった(好きな)点
CASE-0 ~ 3 のストーリーがすべて 1 つの作品として完成されている
CASE-1, 2, 3 として CASE-0 はそれぞれ
- 異なるヒロインの魅力
- 異なる世界観
- 異なる「伝えたいこと」「テーマ」
が設定されており、プレイしていて中だるみが発生しません。
また、それぞれが1つのノベルゲームとして名作になるほど完成されたシナリオであり、プレイしていてとても読み応えがありました。
そのうえで CASE-0 をプレイすることで CASE-1,2,3 の見方が変わる
それぞれの CASE はキレイに完成されていますが、 CASE-0 をプレイすることで CASE-1, 2, 3 の捉え方が変わります。
理由はネタバレになるのでかけませんが…。
伏線やどんでん返しなどの急激な驚きの山を作る、という作品ではありません。
しかし、CASE-0をプレイするなかでジワジワと核心に迫っていく、その結果 CASE-1,2,3 の見方が変わり登場人物に対する感情も変わる、素晴らしい作品でした。
「小説」であること
本作のシナリオは「小説」に近いと感じました。
一般の方々向けの小説をノベルゲームに落とし込むと、このような深みのあるゲームになるのだなぁ…とひとりで頷いていました。
本作の好きなキャラ
CASE-1 に登場するキャラクターが好きで、とくに有島 芳と有島 祥子が人間として大好きなキャラクターです。
芳 は ganyariya の性格・考え方・立ち位置と似ており、親近感が湧いてしまいとても好きでした。
自分と似ているキャラクターはまるで自分を見ているようで同族嫌悪を感じてしまうことも多いのですが、不思議と芳についてはそのような嫌悪感はなく、わかる… という感情で溢れました。
祥子はビジュアルがとてもタイプなのと、ひねくれている性格が好きです(昔の画像が出ているのもいい)。
本作をプレイするうえでの注意点
最初にリリースされた PC 版、そして追加シナリオと CG を含む Switch & Steam 版があります。
それぞれの異なる点を把握したうえで購入するのが良いかと思います。
また、ネタバレを食らうと面白さが半減してしまう作品だと考えているため、できるだけネタバレを踏まないようにプレイするのが良いかと思います。
最後に
プレイしたら絶対に面白い作品であるため、少しでも興味を持った方はプレイしてみるのが良いかと思います。
同ブランドの「ニュートンと林檎の樹」、そして「未来ラジオと人工鳩」もプレイしてみます。