はじめに
コットンソフトから 2007 年 6 月 22 日に発売された「レコンキスタ」をプレイしました。
シナリオは 3 名の方々の複数寄稿タイプです。
- 秋津環 先生
- 海富一 先生
- 大月佑佑 先生
良かった点
死生観をうまく描ききっている
- 人間が死んだとき、どこに行くのか?
- 人間が死んだとき、残された人間はどう思うのか?
を徹底的に描いた作品でした。
恋愛要素も部分的にはありますが、本作のメインは「死生観」だなと考えています。
死んた人間を一時的に蘇らせることができる「反魂の法」。
暮葉や汐見は反魂の法を利用して愛する人を蘇らせますが、それは仮の姿であって生きていた頃の形ではない。
そのとき、本当の魂はどこに存在するのか…? 蘇らせた側・蘇えさせられた側がどう思うのか?を深く描いています。
本作で最終的にまとめられる魂の在り方が「誰かが心のなかでその人を覚えていること、それが魂である」というのもとてもよいなと思いました。
無理に死者を生き返らせるのではなく、生きている人が死んだ人間を心のなかでずっと覚えていく、良いシナリオでした。
「尋ねよ、さらば見出さん」「門を叩け、さらば開かれん」
- 秋月暮葉
- 羽鳥真帆子
- 春日井詩菜
- 吉森麻咲
4 人のメインルートをクリアすると、アフターストーリーとして「尋ねよ、さらば見出さん」「門を叩け、さらば開かれん」が開放されます。
こちらの 2 ストーリーでは
- 暮葉・上条の過去
- 汐見・悠絵の過去
- 16 日間における上条・汐見視点
がそれぞれ語られます。
4 人のメインルートにおいて語られなかった汐見の過去を見ると、いや〜汐見もそこまで悪いやつではなかったかも〜となります。
完全な悪役はこの作品には存在せず、視点を少し変えれば「悪いことだが、理解はできる」になりました。
アフターストーリーがあることで、この作品の魅力が 2, 3 倍になりました。
惜しかった点
犯人がわかりやすく、戦闘が出来レースになっている
黒幕がとてつもなくわかりやすいです(第一ルートのかなり序盤で判明する)。
また、「黒幕が実は別人でした…!」というどんでん返しもないため、最初から最後まで同じ犯人がいろいろ悪いことをやります。
そのため、 2, 3, 4 人目のルートは少し中だるみするかもしれません。
(ただ、最後の暮葉・上条・汐見ルートがとても良いのでプレイしましょう。)
主人公たちと犯人が戦うシーンがそれぞれありますが、多くの場合出来レースになっていて、なんだかんだ主人公が勝ちます。
また、頭脳を凝らしてバトルするというよりは、その場に落ちていたものでなんとかする、という行き当たりばったりのバトルのため、「主人公、もっと準備をしてから戦えばいいのでは…?」となります。
まとめ
死生観をきれいに描いており、とても良い作品でした。
次は「車輪の国、向日葵の少女」をおそらくプレイします。